マンチェスター・ユナイテッドのキャプテン、ブルーノ・フェルナンデスがプレミアリーグの歴史を塗り替える寸前にいる。ポルトガル代表MFは今季ここまで19アシストを記録。23年間破られていない歴代シーズン最多記録まで、あと1に迫った。
1シーズン20アシストという記録は、現在2人のレジェンドが分け合っている。ティエリ・アンリ(アーセナル、2002/03シーズン)とケビン・デ・ブルイネ(マンチェスター・シティ、2019/20シーズン)だ。フェルナンデスはタイ記録まであと1アシスト、単独での新記録樹立にはあと2アシストが必要となる。残り試合は4。
今季、10月19日までフェルナンデスのアシストは1つもなかった。
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記録は手の届くところに
フェルナンデスは月曜日、マンチェスター・ユナイテッドが2-1で勝利したブレントフォード戦で19個目のアシストをマークした。ベンヤミン・シェシュコの決勝ゴールを演出したものだ。直近7試合で6アシス目となった。
歴代シーズン最多アシストの現在の上位は次のとおり。
ティエリ・アンリ(アーセナル、2002/03シーズン)― 20
ケビン・デ・ブルイネ(マンチェスター・シティ、2019/20シーズン)― 20
ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド、2025/26シーズン)― 19
メスト・エジル(アーセナル、2015/16シーズン)― 19
セスク・ファブレガス(チェルシー、2014/15シーズン)― 18
だが、ここから不安材料もある。エジルは2015/16シーズンの30試合消化時点で18アシストを挙げていたが、残り8試合ではわずか1つ上積みしただけだった。モハメド・サラーも昨季の同じ時期に17アシストを記録していながら、最後の8試合で伸ばせたのはまたも1つだけだった。2人ともアンリとデ・ブルイネの記録に迫りながら、最後の最後で届かなかった。
フェルナンデスは、ここまで記録に近づいた3人目の選手となる。
残りの日程も味方する。ユナイテッドの残り4試合のうち2試合は、フェルナンデスが今季すでにアシストを決めている相手、リバプール(ホーム)とノッティンガム・フォレスト(ホーム)との対戦だ。この事実はユナイテッドのファンに確かな期待を抱かせている。

3カ月間アシストなしで始まったシーズン
そして今回の話で最も不思議なのは、シーズン序盤のフェルナンデスはこの話題にまったく登場していなかったことだ。
今季最初のアシストは10月19日、第8節のアンフィールドでのリバプール戦だった。ハリー・マグワイアの決勝ゴールをお膳立てし、2-1の勝利に貢献した。実に3カ月近く、シーズンの3分の1にわたってアシストはゼロだった。
それ以降どうなったのか。数字が物語っている。
シーズン最初の8試合:0アシスト
直近24試合:19アシスト
直近7試合:6アシスト
フェルナンデスの直近24試合は、1試合あたり0.79アシストのペースだ。このリズムをユナイテッドの残り4試合でも保てば、少なくともあと3アシストを上積みできる計算になる。合計は22。
それは記録に並ぶだけではない。大きく塗り替えることになる。
アモリム解任とキャリックの決断
何が変わったのか。ひとつの具体的な決断だ。
ルーベン・アモリム監督の下で、フェルナンデスは「ディープ・ダブルピボット」で起用されていた。守備のスクリーンとボール循環を主な役割とする、より低い位置のミッドフィールダーだ。創造的な自由は最小限に抑えられた。チャンスメイク、前方へのパス、ファイナルサードでの判断といったフェルナンデスの最大の強みは、事実上姿を消していた。
1月、アモリムはユナイテッドでの在任約14カ月で解任された。後任にはまずダレン・フレッチャーが短期間就き、その後マイケル・キャリックが就任した。キャリックは重要な変更をひとつ施した。フェルナンデスをトップ下に戻し、ファイナルサードでプレーさせたのだ。
結果はすぐに表れた。キャリックが指揮を執った初戦のマンチェスター・シティ戦では、フェルナンデスが40ヤードをドリブルで持ち込んでからパスを出し、ブライアン・ムベウモが決めて2-0の勝利を決定づけた。続くアーセナル、フルアム、トッテナム戦でも、フェルナンデスのアシストはほぼ毎週のように積み上がった。
キャリックの下では、フェルナンデスは6試合(FAカップのブライトン戦を含む)中5試合でアシストを記録している。役割をひとつ変えただけで、数字が爆発した。
記録の「質」をめぐる議論
それでも、フェルナンデスの記録をめぐっては大きな議論がある。
スカイ・スポーツの「マンデー・ナイト・フットボール」で紹介されたグラフィックは、はっきりとした数字を示した。フェルナンデスの19アシストのうち、9つがセットプレー(コーナーキック、フリーキック)からのものだった。19のうち9。ほぼ半数だ。
アンリの20アシストのうち18はオープンプレーからだった。デ・ブルイネは20のうち17。フェルナンデスのオープンプレーでのアシストは10だ。
これは何を意味するのか。フェルナンデスの記録はアンリやデ・ブルイネのものと同じ重みを持たないと主張するアナリストもいる。セットプレーからのアシストは、オープンプレーで守備を崩すことに比べて、一般的に難易度が低いとみなされているためだ。
それでもフェルナンデスは、もうひとつの記録にも近づいている。セットプレーからのシーズン最多アシストで、現在はスティーブン・ジェラードが保持する11(リバプール、2013/14シーズン)だ。あと2つのセットプレーアシストでジェラードに並び、3つで上回る。
要するに、フェルナンデスの記録は、表にすっきりと刻まれるのか、それとも注釈付きで記録に残るのか、そのどちらかになる。
アシストにとどまらない数字
アシストをいったん脇に置いても、フェルナンデスのほかの数字は他を引き離している。
今季フェルナンデスが作ったチャンスは98。プレミアリーグのどの選手よりも大幅に多い。2位のデクラン・ライスとは40本の差がある。「わずかにリード」というレベルではなく、別次元のリーグだ。
期待アシスト(xA)は8.8で、これも全選手の中で最高だ。
そして、おそらく最も多くを物語る数字がある。フェルナンデスのアシストは、ユナイテッドの得点の31%に関わっている。最も近い比較対象は、2014/15シーズンのチェルシーの得点への貢献度が24.6%だったセスク・ファブレガスだ。アンリは23.5%、デ・ブルイネは22.5%、昨季のサラーは20.9%。フェルナンデスは31%である。
これは単なる記録ではない。マンチェスター・ユナイテッドにおけるブルーノ・フェルナンデス・ショーだ。
すでにクラブ記録も更新した。1999/2000シーズンのデビッド・ベッカムの15アシストを上回り、ユナイテッドのシーズン最多アシストとなっている。また、1人の選手のアシストで獲得した勝ち点のプレミアリーグ新記録も樹立した。18ポイントで、1シーズンのリーグ戦でアシストのみによってこれだけの勝ち点をもたらした選手は過去にいない。

暗いシーズンの唯一の光
最後に、フェルナンデスの記録への挑戦をより重要で、より感情的なものにしている背景を記しておく。
マンチェスター・ユナイテッドの2025/26シーズンは歴史的な惨状となっている。ルーベン・アモリムは在任約14カ月で1月に解任された。その後は長く混乱した監督交代が続き、まず暫定監督のダレン・フレッチャー、次いでマイケル・キャリックが指揮を執った。
カップ戦はさらにひどい。
カラバオカップ:3回戦でリーグ・ツーのグリムズビー・タウンに敗退。多くのユナイテッドファンが調べ直さなければならなかった名前だ。PK戦で敗れ、ファンの反発を招いた。
FAカップ:3回戦でブライトン&ホーヴ・アルビオンに敗退。またも早期敗退となった。
チャンピオンズリーグ:出場していない。
ヨーロッパリーグ:1年前、フェルナンデスはレアル・ソシエダ戦でハットトリックを決めた。今季の欧州での戦いは最小限にとどまった。
フェルナンデスの記録への挑戦は、マンチェスター・ユナイテッドが2025/26シーズンに生み出した唯一の歴史的なハイライトだ。今季ユナイテッドのファンが恥ずかしさではなく誇りを持って記録集を見られる、唯一の理由でもある。
ブルーノ・フェルナンデスは31歳。マンチェスター・ユナイテッドとの契約は2026年6月までだ。2013年以来プレミアリーグを制しておらず、今季はチャンピオンズリーグに出場できず、FAカップも準々決勝前に敗退したクラブでプレーしている。
それでも、1人の選手、ひとつの役割、3カ月遅れの爆発、並外れた数字の数々、そして歴史的な記録が目前に迫っている。
2025/26シーズンが明るい歴史に残す項目は、あとひとつ残っている。
それを成し遂げるのは、おそらくフェルナンデスだろう。




